要点
- MLX Harness は Mac 上で AI モデルを実行します。自分でリモートエンドポイントに接続しない限り、プロンプトと回答は Mac から出ません。
- JANGQ AI の vMLX をもとに作られ、Apache 2.0 ライセンスで提供されます。harness.mlx.app または mlx.app/download からダウンロードできます。
- ページは 4 つ:Chat & Images、Servers & API、Models、Network。サイドバーの下に Preferences があります。
- 実行中のモデルはすべて localhost:8080 のローカル API で OpenAI、Anthropic、Ollama の各形式で提供されるので、アプリやコーディングエージェントから使えます。
1MLX Harness をインストールする
必要なのは、macOS 14.5 以降を搭載した Apple Silicon の Mac です。推論エンジンはアプリに内蔵されているので、ほかにインストールするものはありません。ダウンロードして MLX Harness を「アプリケーション」に移動し、開くだけです。
MLX Harness は、JANGQ AI の vMLX を改変したもので、Apache License 2.0 で公開されています。内部のエンジンは vMLX のものをそのまま使っており、MLX Harness はその周りのアプリ部分を変更し、Network ページを追加しています。
2モデルを選んでダウンロードする
モデルは Hugging Face から入手し、その多くは mlx-community が公開している MLX 形式です。ダウンロードする前に、収まるかどうかを確認しましょう。Compare では、Mac のメモリにどのモデルが収まり、それぞれがおよそどれくらいの速さで書けるかがわかります。
- Models を開き、Find & download を選びます。検索して、ダウンロード数、トレンド、いいね数、最近の更新、モデルサイズで並べ替えられます。検索結果には MLX モデルが表示されます。
- モデルをクリックして README を読み、ダウンロードします。ダウンロードはバックグラウンドで進み、Downloads に進行状況が表示されます。
- Llama のようなゲート付きモデルの場合は、先に HF Token: 欄に Hugging Face のトークンを入力し、huggingface.co でそのモデルのライセンスに同意してください。
- Library & tools には Mac 上のモデルが一覧表示されます。Inspect Model はモデルのメタデータを表示し、Diagnose Model は健全性チェックを行い、Convert Model は Hugging Face のモデルを量子化した MLX モデルに変換します。選べるのは Balanced (4-bit)、Quality (8-bit)、Compact (3-bit) です。
ダウンロード先は、Download to: で別の場所を選ばない限り、Hugging Face のキャッシュフォルダです。MLX Harness は、そのキャッシュ、~/.mlxstudio/models、Directories で追加したフォルダにすでにあるモデルも見つけます。
3チャットと画像
チャットと推論
- Chat & Images を開き、チャットツールバーのモデルメニューでモデルを選ぶか、Add local model を選びます。モデルは検出された初期設定で起動し、詳細なオプションは Servers & API にあります。
- メッセージを入力します。推論モデルは思考の過程を別の枠に表示します。チャット設定の Enable Thinking で Auto、On、Off を切り替え、対応モデルでは Reasoning Effort で推論の深さを設定します。
- 視覚モデルは画像を受け付けます。ファイルをチャットにドロップするか、添付ボタンを使います。動画、音声、テキストファイルも、それを受け付けるモデルで使えます。
- チャットはサイドバーに保存され、検索できます。設定はモデルごとに保存されます。
ほかの場所にあるモデルとチャットすることもできます。Connect remote endpoint には、OpenAI 互換の API アドレスなら何でも指定できます。プロンプトが Mac の外に出るのは、このときだけです。
画像の生成と編集
Chat & Images で Image を選びます。画像モデルは mflux で動き、画像サーバーは Mac 上のフォルダからモデルを読み込みます。Find mflux models で Models の画像検索が開き、Load selected folder で起動します。
| 用途 | モデルファミリー |
|---|---|
| 生成 | Flux Schnell、Flux Dev、Z-Image Turbo、FLUX.2 Klein 4B・9B、Qwen Image、Qwen Image 2.1、FIBO、Ideogram 4 |
| 編集 | Qwen Image Edit、Qwen Image 2.1、Flux Kontext、FLUX.2 Klein Edit、Flux Fill(自分で描いたマスクによるインペインティング) |
| アップスケール | SeedVR2 3B |
Flux Dev など一部の画像モデルは Hugging Face でゲートが設定されており、ダウンロードするにはトークンとライセンスへの同意が必要です。
4エージェントとツール
MLX Harness では、モデルに Mac 上で操作をさせることができます。チャット設定で Enable Built-in Coding Tools をオンにして Working Directory を選ぶと、ファイル操作やコマンドはすべてその中で実行されます。そのうえで、ツールのカテゴリをオン・オフします。
| カテゴリ | 内蔵ツール |
|---|---|
| File I/O | read_file、write_file、edit_file、patch_file、batch_edit、insert_text、replace_lines、apply_regex、copy_file、move_file、delete_file、create_directory、list_directory、read_image、read_video |
| Search | search_files、find_files、file_info、get_tree、diff_files、get_diagnostics |
| Shell | run_command、spawn_process、get_process_output、run_applescript |
| Web Search | ddg_search:無料。DuckDuckGo を試し、だめなら Mojeek |
| Brave Search | web_search(Brave Search の API キーが必要) |
| URL Fetch | fetch_url |
| Git | git:status、diff、log、blame、commit、branch、stash |
| Utilities | count_tokens、clipboard_read、clipboard_write、get_current_datetime。ask_user は常にオン |
Max Tool Iterations は、1 つのメッセージで行えるツール呼び出しの回数の上限です(初期設定は 10)。シェルとファイルのツールは実際のファイルを操作するので、作業ディレクトリはホームフォルダではなくプロジェクトに向け、信頼できるモデルを使ってください。
5ほかのアプリから使う:ローカル API
起動したモデルはすべて Mac 上で提供されます。http://localhost:8080 の API Gateway は、リクエストに含まれるモデル名で各リクエストを適切なモデルに振り分け、停止中のモデルが呼ばれれば起動します。各モデルには 8000 番から始まる専用のポートもあります。初期設定ではアクセスできるのはその Mac だけで、LAN をオンにするとネットワークに公開されます。
| 形式 | エンドポイント |
|---|---|
| OpenAI | /v1/chat/completions、/v1/responses、/v1/completions、/v1/models、/v1/embeddings |
| Anthropic | /v1/messages |
| Ollama | /api/chat、/api/generate、/api/tags、/api/show、/api/embed |
| 画像 | /v1/images/generations、/v1/images/edits |
| 音声 | /v1/audio/transcriptions(Whisper)、/v1/audio/speech(Kokoro) |
API の裏側では、エンジンが一度読んだ内容をキャッシュします。Continuous Batching をオンにすると、Prefix Cache によって長いチャットやコーディングエージェントの繰り返しの指示を次のターンで処理し直さずに済み、KV Cache Quantization でそのキャッシュを縮め、Disk Cache (Persistent) で SSD に保持します。これらは各モデルのサーバー設定にあります。
API ページに表示されるモデル名を使った、OpenAI 形式のリクエストの例です。
curl http://localhost:8080/v1/chat/completions \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{
"model": "YOUR-MODEL",
"messages": [{"role": "user", "content": "Hello!"}]
}'OpenAI の SDK なら、base_url を http://localhost:8080/v1 に設定すればどれでも使えます。セッションにキーを設定していなければ、キーは任意の文字列でかまいません。コーディングエージェント向けには、Coding Tool Integration が Auto-Configure で Claude Code、Codex CLI、OpenCode、OpenClaw、Hermes Agent を設定するか、Manual Setup を表示します。Claude Code の場合は、次の内容を ~/.claude/settings.json にマージします。
{
"env": {
"ANTHROPIC_BASE_URL": "http://localhost:8080",
"ANTHROPIC_MODEL": "YOUR-MODEL",
"ANTHROPIC_API_KEY": "mlxstudio"
}
}6Network ページと MLX Node
Network には、mlx.app から取得した MLX Network のライブの状況が表示されます。オンラインで働いている Mac、毎秒トークン数、今日の AI トークン数、国の数です。この Mac に MLX Node がインストールされて動いているかを確認し、MLX Node を開くか、ダウンロードへのリンクを表示します。Your wallet にウォレット名を入力して Show を押すと、マイニングした MLX が増えていく様子を見られます。名前はこの Mac にだけ保存されます。
MLX Harness 自体がマイニングすることはありません。あなたのためにモデルを動かすアプリです。MLX Node は別のメニューバーアプリで、Mac の空き時間を MLX Network に貸し出して MLX トークンを獲得します。無料シートで 1 日最大 1 MLX、30 日ロックされます。両方を使う場合は同じメモリと GPU を共有するので、MLX Node の Memory MLX may use の上限と、手動での開始・停止で邪魔にならないようにできます。MLX トークンは値下がりする可能性があります。リスクをお読みください。
7よくある質問
- MLX Harness は無料ですか?
- はい。無料で、ベースになっているプロジェクト vMLX と同じく Apache License 2.0 で提供されます。
- MLX Harness はいつダウンロードできますか?
- 今すぐダウンロードできます。harness.mlx.app と mlx.app/download で無料で提供しており、macOS 14.5 以降の Apple Silicon 搭載 Mac に対応しています。ソースコードは GitHub の github.com/MLXapp/studio で公開しています。
- MLX Harness はどの Mac で動きますか?
- macOS 14.5 以降を搭載した Apple Silicon(M1 以降)の Mac です。どのモデルが収まるかは Mac のメモリで決まり、mlx.app の Compare で確認できます。
- MLX Harness はプロンプトをどこかに送信しますか?
- いいえ。ローカルモデルは Mac 上で動き、LAN をオンにしない限り API はその Mac の中でしか待ち受けません。プロンプトが Mac の外に出るのは、リモートエンドポイントに接続した場合だけです。
- MLX Harness で MLX トークンを稼げますか?
- いいえ。MLX Harness はあなたのためにモデルを動かし、ネットワークの公開データを読むだけです。AI の仕事で MLX トークンを獲得するアプリは MLX Node です。
出典
- vMLXgithub.com
- Hugging Facehuggingface.co
- mlx-communityhuggingface.co
- mfluxgithub.com