要点
- Mac でビットコインをマイニングしても、実際の収益はゼロです。ネットワークを支えているのは、何十万倍も速い専用チップです。
- 一般的なプロセッサでマイニングするコインは今もありますが、Mac で電気代を上回る収益が出ることはまずありません。
- Apple Silicon が得意なのは AI です。言語モデルを動かすための高速なメモリをたっぷり備え、消費電力は数百ワットではなく数十ワットです。
- MLX Node は、まさにそこを活かします。あなたが設定した上限の範囲内で、Mac がネットワークの AI の仕事を実行し、MLX トークンを獲得します。
1Mac でビットコインはマイニングできる?
技術的にはできます。でも、意味はありません。ビットコインはハッシュを推測することでマイニングされ、いまネットワーク全体では毎秒約 1,000 エクサハッシュ、つまり 10 億の 1 兆倍もの推測が行われています(mempool.space)。そのほぼすべてが、マイニング専用に作られた ASIC というチップによるものです。
かなり甘く見積もって、Mac が毎秒 10 億ハッシュを計算できるとしましょう。それでもネットワーク全体の約 1 兆分の 1 にすぎません。単独でマイニングすれば、ブロックを見つけられるのは約 1,900 万年に 1 回です。プールに参加すれば少しずつ報酬が入るようになりますが、その額は、Mac がそのために使う電気代よりはるかに小さくなります。
2Mac でマイニングできるコイン
ASIC ではなく一般的なプロセッサでマイニングするよう設計されたコインもあり、最も有名なのは Monero です。Mac でも、オープンソースのマイナーやマイニングマーケットプレイスを使ってマイニングできます。
ただし問題は同じです。収益はコインの価格とネットワークの難易度で変わり、ノートパソコンや Mac mini では、たいてい電気代に比べてわずかです。始める前に、そのコインのマイニング計算機に Mac の数値を入れ、電気料金と比べてみてください。Mac の消費電力のガイドに Apple の公表値をまとめています。
マイニングは何時間もプロセッサをフル稼働させます。Apple Silicon はそれにうまく耐えますが、MacBook は熱を持ち、ファンのあるモデルではファンの音が聞こえるようになります。
3Apple Silicon が得意なのは別のこと
ハッシュ計算で報われるのは、単純な演算をひたすら繰り返す力です。AI で報われるのは、Mac が並外れて多く持っているもの、つまりプロセッサとグラフィックスが共有する高速なメモリです。言語モデルは単語を 1 つ書くたびに重みをメモリから読み出す必要があるため、その速さは主にメモリ帯域幅で決まります(llama.cpp のベンチマーク)。
M5 Max のメモリ読み出し速度は最大 614GB/s、搭載できるメモリは最大 128GB です(Apple)。1,200 億パラメータのモデルをノートパソコンで動かすのに十分です。暗号資産の観点で見れば、Mac はハッシュ計算には向かない一方、推論マシンとしては非常に優秀です。
そこで問いはこう変わります。ハッシュを推測する代わりに AI を動かして、Mac は稼げるのか。MLX Network は、そのために作られました。
4AI でマイニングする:MLX の仕組み
MLX Node は、Apple Silicon 搭載の Mac 向けの無料メニューバーアプリです。ウォレットにリンクすると、Mac がネットワークから AI のジョブを受け取り、Apple の MLX フレームワークで実行して答えを返します。答えはほかの Mac の答えと照合され、ネットワークは検証された仕事に対して 1 時間ごとに MLX トークンを支払います。
- MLX Node をダウンロードし、メニューバーから開きます。
- パスキーのウォレットを作成するか、お持ちのウォレットをリンクします。数秒で終わり、始めるのにシードフレーズは要りません。
- Mac の働き方を選びます。新しくインストールすると手動モードで始まり、リンクして電源につなぐと、「停止」を押すまで上限の範囲内で MLX Node が働きます。Mac がアイドル状態になったときだけ働くようにもできます。
- 獲得の様子を、アプリ、ウォレット、そしてネットワークのライブマップ MLX World で確認します。
無料シートでは、Mac は 1 日あたり最大 1 MLX をマイニングします。Mac のチップに合った専用シートがあれば、これが何倍にもなります。$50 の Nano シートなら 1 日最大 4 MLX、Core シートなら 20 MLX、Mac Studio で動く Ultra シートなら 320 MLX です。シートはステークのように働きます。ネットワーク上にあなたの Mac の席を確保し、報酬の取り分を決めます。有料の AI ジョブが始まれば、シートを持つ Mac に優先して回す予定です。マイニングした MLX は、無料シートなら獲得した日から 30 日、専用シートがあれば 3〜20 日ロックされます。詳しくは専用シートをご覧ください。
5ハッシュのマイニングと AI のマイニングを比較
| Mac でビットコイン | Mac で CPU 向けコイン | MLX Node | |
|---|---|---|---|
| Mac がすること | ハッシュを推測 | ハッシュを推測 | AI モデルを実行 |
| 競争相手 | ASIC ファーム | あらゆる CPU とボットネット | ほかの Mac |
| Mac の強みを活かせるか | いいえ | 一部 | はい:ユニファイドメモリと帯域幅 |
| 収益 | 実質ゼロ | たいてい電気代以下 | MLX トークン(30 日ロック) |
| 動かすタイミングを決められるか | はい | はい | はい(バッテリーと発熱の上限つき) |
MLX トークンは新しいトークンです。価格は上がることも下がることもあり、無価値になる可能性もあります。何かを購入する前にリスクをお読みください。
6よくある質問
- MacBook でビットコインをマイニングする価値はありますか?
- ありません。ビットコインのネットワークは毎秒約 1,000 エクサハッシュで動いており、そのほぼすべてが ASIC によるものです。Mac の割合はごくわずかなので、プールに参加しても、収益は使う電気代を大きく下回ります。
- マイニングで Mac は壊れますか?
- Apple Silicon は過熱する前に自ら性能を抑えるよう設計されていますが、何時間もフル稼働させれば、熱やファンの音が生じ、ノートパソコンではバッテリーも劣化します。MLX Node では上限を設定でき、バッテリー駆動時や Mac が熱くなったときに一時停止できます。
- MLX Node は仮想通貨をマイニングしますか?
- ハッシュ計算によるマイニングではありません。ネットワークの AI の仕事を実行し、検証された結果に対して MLX トークンを獲得します。無料で、いつ働かせるかはあなたが決められます。マイニングした MLX は 30 日、専用シートがあれば 3〜20 日ロックされます。
- MLX Node はどの Mac で動きますか?
- M1 以降の Apple Silicon を搭載した Mac ならどれでも動きます。MacBook Air、MacBook Pro、iMac、Mac mini、Mac Studio、Mac Pro です。Intel 搭載の Mac には対応していません。
出典
- mempool.spacemempool.space
- llama.cpp のベンチマークgithub.com
- Appleapple.com