要点
- 4 ビット版と MLX 版には 512GB の Mac Studio が、Engram テーブルを SSD に置く 2 ビット版には 256GB が必要です。
- 128GB の MacBook Pro や Mac Studio でも、SSD からストリーミングすれば 2 ビット版を動かせます。Thunderbolt 5 で 2 台目の 128GB の Mac と分担することもできます。
- 最初に公開された Mac での実行例は 512GB の M3 Ultra で、生成は毎秒約 6.5 トークン、プロンプトの読み込みは毎秒約 275 トークンでした。
- 動かし方は 3 つ。DwarfStar(ds4)、GGUF ファイル用の llama.cpp のブランチ、mlx-vlm や LM Studio で使う MLX 版です。
1必要なメモリ
このモデルのパラメータは 5,520 億ですが、ダウンロードのうち約 189GiB は 2 つの Engram 参照テーブルで、トークンごとに数行ずつしか読まれません。このテーブルを SSD に置いたままにするランタイムなら、ダウンロードサイズよりはるかに少ないメモリで済みます。すべてを読み込むビルドでは、その全量が必要です(Hugging Face の antirez による解説)。
| ビルド | 重み | ダウンロード | メモリに載せる量 | 実行環境 |
|---|---|---|---|---|
| DwarfStar Q2 | 9 月版 | 366GB | 163GB、Engram は SSD | ds4 |
| DwarfStar Q4 | 9 月版 | 519GB | 316GB、Engram は SSD | ds4 |
| GGUF Q2_K | 1017 | 265GB | 未公表 | llama.cpp のブランチ |
| GGUF Q4_K_M | 1017 | 445GB | 未公表 | llama.cpp のブランチ |
| MLX oQ2.5e | 1017 | 343GB | モデル全体 | mlx-vlm、LM Studio |
| MLX oQ4e | 1017 | 432GB | モデル全体 | mlx-vlm、LM Studio |
macOS とコンテキストの分も空けておきましょう。1 トークンあたり約 890 バイトなので、10 万トークンの会話でも増えるのは 0.1GB 未満です。決め手になるのは重みです。
2どの Mac で動くか
| Mac | 動くもの | 方法 |
|---|---|---|
| Mac Studio、512GB(M3 Ultra または M5 Ultra) | 4 ビット版と MLX の 1017 版を含むすべてのビルド | すべてメモリ上 |
| Mac Studio、256GB | DwarfStar Q2 | メモリ上、Engram テーブルは SSD |
| Thunderbolt 5 でつないだ 128GB の Mac 2 台 | DwarfStar Q2 | RDMA で 2 台に分割 |
| MacBook Pro または Mac Studio、128GB | DwarfStar Q2 | SSD からストリーミング、実験的で低速 |
| 64GB 以下 | 現実的ではない | API か小さめのモデルを使う |
モデルは Mac の内蔵 SSD に置いてください。生成中は Engram の行やストリーミングする重みをディスクから読むため、外付けドライブではかなり遅くなります。ダウンロードの準備も必要です。250〜520GB に加え、ファイルを結合する間の空き容量がいります。
3どれくらいの速さで動くか
Mac で最初に公開されたベンチマークは、512GB の M3 Ultra Mac Studio で、9 月版の重みを 4 ビットと 8 ビットを組み合わせた MLX 版で動かしたものです(GitHub のベンチマーク)。
| プロンプトの長さ | プロンプトの読み込み | 生成 | ピークメモリ |
|---|---|---|---|
| 8,192 トークン | 275 トークン/秒 | 6.5 トークン/秒 | 429GB |
| 32,768 トークン | 295 トークン/秒 | 6.3 トークン/秒 | 431GB |
これはハードウェアの限界を大きく下回っています。生成ではトークンごとに約 160 億パラメータ、4 ビットで約 9GB を読むため、メモリ帯域幅から見た 1 つの会話の上限は、M3 Ultra(819GB/s)で毎秒約 90 トークン、M5 Ultra(1.2TB/s)で毎秒約 130 トークンです。新しいアーキテクチャへの対応はまだ数週間しか経っていないので、新しいランタイムでこの差はある程度縮まるはずです。最新の数値は MLX Bench や各ランタイムのリリースノートで比べてください。
プロンプトの読み込みは、メモリではなく演算性能で決まります。M5 世代のチップは GPU にニューラルアクセラレータを備え、MLX でのプロンプトの読み込みは従来のチップの数倍の速さです(Apple)。
4動かし方
DwarfStar(ds4):最もメモリを節約できる
DwarfStar は DeepSeek Flash モデル専用に作られたオープンソースのエンジンで、96GB 以上の Mac では Metal で動き、それより小さい Mac では SSD ストリーミングを使います。どのモードでも Engram テーブルはディスクに置いたままです(GitHub)。
git clone https://github.com/antirez/ds4.git
cd ds4 && make
./download_model.sh ds41f-q2
./ds4 -m gguf/DeepSeek-V4.1-Flash-Q2.gguf --ssd-streaming --ctx 32768メモリが 256GB 以上の Mac では --ssd-streaming を外します。./ds4-server を使うと、ローカル API でモデルを提供できます。
llama.cpp:1017 の GGUF ファイル
本家の llama.cpp と Ollama は、まだ V4.1 Flash に対応していません。1017 の GGUF ファイルは llama.cpp のブランチで作られており、自分でビルドする必要があります。Engram テーブルは CPU 側に置くことが推奨されています(Hugging Face)。今のところファイルはテキスト専用です。
git clone https://github.com/vcruz305/llama.cpp && cd llama.cpp
git checkout 2076412
cmake -B build && cmake --build build -j
./build/bin/llama-server -hf mrfakename/DeepSeek-V4.1-Flash-1017-GGUF:Q2_K -ot "engram_embd.weight=CPU"MLX:Apple Silicon 向けの 1017 版
MLX コミュニティによる 1017 版は、ほとんどの重みで DeepSeek オリジナルの FP4 と FP8 の精度を保ち、マルチトークン予測の重みも含んでいます。画像も扱える mlx-vlm で読み込め、LM Studio にも掲載されています。512GB の Mac が必要です。
pip install -U mlx-vlm
python -m mlx_vlm.generate --model mlx-community/DeepSeek-V4.1-Flash-1017-oQ4e-mtp --prompt "Hello" --max-tokens 200ローカルモデルが初めてなら、まず Mac で LLM を動かすと MLX、Ollama、llama.cpp の比較から始めましょう。
5512GB の Mac がない場合の選択肢
- API を使う。 DeepSeek の
deepseek-flashの料金は、入力 100 万トークンあたり 0.15 ドル、出力 100 万トークンあたり 0.60 ドルです。DeepSeek V4.1 Flash 1017 をご覧ください。 - 小さめのオープンモデルを動かす。 64GB の Mac なら 70B クラスのモデル、128GB の Mac なら gpt-oss-120b が快適に動きます。ローカル LLM に最適な Macをご覧ください。
- Mac をつなぐ。 Thunderbolt 5 で 2 台以上の Mac をつなげば、1 台では収まらないモデルも載せられます。Mac の AI クラスタをご覧ください。
- Mac に稼がせる。 MLX Node は、どの Apple Silicon の Mac でも MLX Network の AI のジョブを実行して MLX トークンを獲得します。専用シートなしで 1 日最大 1 MLX です。マイニングした MLX は 30 日ロックされます(専用シートがあればもっと短くなります)。リスクもご覧ください。
6よくある質問
- DeepSeek V4.1 Flash にはどれくらいの RAM が必要ですか?
- Engram テーブルを SSD に置いた DwarfStar の 2 ビット版で約 163GB、その 4 ビット版で約 316GB、MLX 版ではダウンロード全体の 343〜432GB です。これに macOS とコンテキストの分が加わります。
- MacBook Pro で DeepSeek V4.1 Flash は動きますか?
- 128GB のモデルに限り、DwarfStar で 2 ビット版を SSD からストリーミングすれば動きますが、実験的で低速です。256GB か 512GB の Mac Studio なら、すべてメモリ上で動きます。
- M3 Ultra での DeepSeek V4.1 Flash の速さは?
- 512GB の M3 Ultra での最初の公開実行では、MLX 版で生成が毎秒約 6.5 トークン、プロンプトの読み込みが毎秒約 275 トークンでした。メモリ帯域幅からすると毎秒約 90 トークンまで可能なので、新しいソフトウェアでは速くなるはずです。
- DeepSeek V4.1 Flash 1017 の MLX 版はありますか?
- あります。MLX コミュニティが 343GB と 432GB の 1017 版を公開しています。512GB のメモリを積んだ Mac で、mlx-vlm か LM Studio を使って動かせます。
- DeepSeek V4.1 Flash は Ollama で使えますか?
- 標準の Ollama や llama.cpp では、まだ使えません。GGUF ファイルにはソースからビルドした llama.cpp のブランチが必要です。Mac でこのモデルに対応している DwarfStar を使う方法もあります。
出典
- Hugging Face の antirez による解説huggingface.co
- GGUF 1017huggingface.co
- MLX oQ4ehuggingface.co
- MLX oQ2.5ehuggingface.co
- DwarfStargithub.com
- M3 Ultrasupport.apple.com
- M5 Ultraapple.com
- GitHub のベンチマークgithub.com
- Applemachinelearning.apple.com